近畿中央病院の診療休止についてのお知らせ
更新日: 2025年05月30日
当共済組合が運営する近畿中央病院は、市立伊丹病院との統合新病院が開院するまで、現在の診療を継続することを目指してまいりましたが、以下の理由により、令和8年3月に診療を休止することといたしました。
患者様をはじめ、近隣の皆様におかれましては、ご心配とご不便をおかけすることをお詫び申し上げます。
現在入院・通院中の患者様については、可能な限り現行の診療体制を維持した上で、診療休止までに、近隣の医療機関への紹介を行い、引き続き適切な医療を受けていただけるよう準備を進めてまいります。
また、診療休止後については、現存建物の活用に関する検討などを含め、跡地に誘致する医療機関がなるべく空白期間が少なく開設できるよう調整を図ってまいります。
【診療を休止する理由】
近畿中央病院は、令和2年4月に公立学校共済組合と伊丹市との間で締結された基本協定書に基づき、当初は令和7年10月の統合を目指して準備を進めておりました。ところが、令和4年に実施された整備工事の発注において、2度にわたり入札不調となったことで、工事の開始が大幅に遅延し、統合新病院の開院時期は令和8年8月へと延期されることとなりました。
さらに、令和7年1月には統合新病院の建設予定地である現・市立伊丹病院の敷地から、想定を大幅に超える深刻な土壌汚染が判明し、対策工事が必要となったことから、統合新病院の開院は令和9年度後半まで、再び大幅に延期されることとなりました。
近畿中央病院ではすでに施設や設備、医療機器の老朽化が著しく、その後の度重なる統合時期の延期により計画的な保全の機会を逸し、現時点ではこれ以上の延命措置を講じることは非常に困難な状況です。仮に令和9年度後半まで安全な医療を提供し続けるためには、それらの全面的な更新が不可欠であり、それには莫大な費用を要します。
一方で、近畿中央病院の経営状況は、コロナ禍以降の患者数の減少に加え、人件費やエネルギー、その他材料などの社会的なコスト上昇の影響も重なり、大幅な赤字を解消する見込みが立っておりません。
このような状況において、地域医療体制の維持及び統合新病院が円滑に稼働するための人員確保の観点からも、多様な提案を伊丹市に対して行い、協力を求めてまいりましたが、抜本的な解決には至りませんでした。
公立学校共済組合としましては、長年にわたりご利用くださってきた患者の皆様のため、新病院開院まで診療を継続できるよう、これまで最大限の努力を重ねてまいりましたが、上記のような状況を総合的に勘案し、近畿中央病院をこれ以上運営し続けることは困難であると判断いたしました。近畿中央病院職員の異動時期なども考慮した結果、令和8年3月をもってやむを得ず診療を休止することといたしました。