更新日: 2020年12月25日
Health共済フォーラム 2020年12月号掲載「Health&Care」
新型コロナウイルス感染症の影響により、外出の機会が減少するにともなって、体を動かすことも減っていることでしょう。しかし、健康の維持・増進にとって、運動は欠かせないものです。今一度、運動の効果を再認識し、日々の生活の中に取り入れる工夫をしてみてはいかがでしょうか。運動が私たちにもたらすさまざまなメリットとともに、無理なく続けられる運動法も紹介します。

健康な体を維持するためには毎日のバランスのよい食事が不可欠です。一方で、食べ物から摂取したエネルギーが活動により消費されるエネルギーを上回ってしまうと、使われずに残ったエネルギーは脂肪となり体に蓄えられることになります。このような状態が続けば肥満となるばかりでなく、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高まってしまいます。
これらを予防するためには、運動が不可欠。血糖値や血中脂質の正常化を助けてさまざまな疾患のリスクを減らしてくれるだけでなく、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。また、各種の健康効果に加えて、筋力アップや血行促進などによるメタボ改善、体型維持にもつながります。
そして忘れてはならないのがメンタルヘルスへの効果です。適度な運動はさまざまな脳内物質の分泌を促進し、ストレスの発散やリラックス、不安感の軽減のほか、意欲や集中力が増すなどメンタルにも良い効果が生まれるのです。

ウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動には、血流促進や心肺機能の向上、新陳代謝アップなどの効果があります。
一方、同じ運動でもバーベルなどを使った筋力トレーニングに代表される無酸素運動の効果は違ってきます。脳から成長ホルモンが分泌されやすく、筋肉量が増えることで体脂肪が燃やされたり、コリやむくみ、冷え症の改善などにつながります。また、基礎代謝が上がって太りにくい体づくりにも役立ちます。

適度な運動には精神的な緊張を解きほぐして良質な睡眠をもたらす効果があります。夕方から就寝3時間前までの間で、心拍数を上げ過ぎない軽いウォーキングやストレッチを行うと、眠りにつきやすくなるはずです。
また、有酸素運動により血流が促進されることで、免疫細胞が活性化して感染症予防にも役立ちます。さらに、運動には脳の記憶領域を活性化させるという研究報告もあります。国立長寿医療研究センターでは、cognition(認知)とexercise(運動)を組み合わせてcognicise(コグニサイズ)という認知症予防運動プログラムも紹介しています。適度な運動は体にいいことづくめというわけです。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」では、年齢に関係なく、今よりも毎日10分多く体を動かすことを「+10(プラス・テン)」として呼びかけています。まずは今よりも10分多く歩くことから始めてみましょう。スポーツ庁では「FUN+WALK PROJECT」として歩くことを楽しく続けるためのアプリもリリースしています。
外出が難しい場合には、テレビを見ながらでも行える有酸素運動の踏み台昇降がおすすめ。15cmから20cmの台を用意して、室内で10分程度上り下りを行えば心身ともにリフレッシュできます。

運動はしたいが一人では続けることが難しそう…。そんなときには社会人のスポーツサークルを活用してみませんか。地域情報やインターネットのサークルメンバー募集サイトなどを活用すれば、ジョギングやサイクリング、ボルダリングなどさまざまなサークルが見つかります。面識のない人との接触が不安な場合は、友人限定でサークルを結成するのもいいでしょう。
小さな掛金で大きな補償が得られるスポーツ安全保険。4名以上のアマチュアの団体・グループであれば、スポーツのほか文化やレクリエーション、ボランティア、地域活動なども対象です。自宅から活動場所への往復中や、活動中に発生した熱中症、細菌性食中毒、賠償責任にも対応しています。掛金はなんと年額800円から!

公益財団法人スポーツ安全協会
https://www.sportsanzen.org/
“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの生成を促すバナナや牛乳、卵をたっぷり使ったクレープケーキ。粉砂糖の雪をかぶったビジュアルも幸福感いっぱいで、クリスマスにもおすすめです。フライパンでクレープ生地を焼いて、ホイップクリームとバナナを重ねていくだけで簡単にできるので、ご家族で作ってみては。

【生地】卵:4個、牛乳:180cc、小麦粉(薄力粉):90g、きび砂糖(グラニュー糖でも可):大さじ3、米油(サラダ油でも可):大さじ2
【具材】バナナ:3本から4本、レモン果汁:1個分
【ホイップクリーム】生クリーム:200cc、きび砂糖:大さじ2から3、粉砂糖:適宜
1 生地を作る。ボウルに卵と砂糖を入れて混ぜる。小麦粉をふるいながら入れ、よくかき混ぜる。米油とほんのり温めた牛乳も加えて、なじむまで混ぜる。
2 バナナは斜め薄切りにする。変色を防ぐため、レモン果汁を振っておく。
3 ホイップクリームを作る。ボウルに生クリームと砂糖を入れてツノが立つまで泡立てる。
4 フライパンを中火にかけ、米油をひいてなじませる。1の生地をお玉1杯分くらい薄くのばして焼く。軽く色が付いたら裏返す。焼き上がった生地は、逆さにしたボウルや皿にラップをかけ、重ねておくと後で取りやすい。10枚ほど焼く。
5 器に生地を敷き、ホイップクリーム、バナナ、ホイップクリーム、生地の順番に重ねていく。最後に生地の上に粉砂糖を振って完成。お好みでチョコソースやりんごジャムを添えて。

クレープ生地は冷蔵庫で1日から2日保存可能。生地のほのかな甘さは、塩気のあるハムやソーセージとも好相性。サーモンやジャガイモ、チーズと合わせてもおいしくいただけます。
レシピ提供 料理家 井澤由美子