更新日: 2021年09月24日

Health共済フォーラム 2021年9月号掲載「Health&Care」

年齢のせいと諦めない 疲れにくい体は自分で作れる!

若い頃と比べると疲れやすくなった、一晩寝ても疲れが取れない。そんな悩みがあっても、年齢を重ねれば仕方がないことと諦めてしまいがちです。しかし、生活習慣の中にちょっとした工夫を取り入れるだけで、疲れにくい体を手に入れることができるのです。実はコロナ禍の生活が、体を疲れやすくしている可能性も…。今日からでもできる疲れにくい体づくり、始めてみませんか?

そもそも「疲れ」って何?

一言で「疲れ」といっても、体を動かすのがだるい、ボーっとして考えがまとまらない、目の前に仕事があってもやる気が起きないなど、症状はさまざまです。そしてこのような状態は、体が休息を欲しているというサインでもあります。
医師などで構成される日本疲労学会によると、「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」と定義されています。つまり、「疲れたなぁ」と感じるのは、体にも心にも大きな負荷がかかっているということ。「これ以上疲れると大変だよ!」という、自分自身からのSOSでもあるのです。

画像:仕事中ながらも疲れている様子の男性

疲れには種類がある

肉体の疲れ

筋肉を動かすためのエネルギーが不足したことで起こる疲れ。体を動かし続けると筋肉に蓄えられたエネルギーが不足し、血流が悪くなって筋肉への神経伝達が遅れます。また、過度な活動をすることで、体内で酸素が大量に消費されて活性酸素が発生。これが筋肉を攻撃することも肉体の疲れにつながります。

心の疲れ

過度な活動をせず肉体的な負担はないものの、仕事や人間関係の悩み、プレッシャーなどがストレスとなって起こるのが心の疲れです。気分の落ち込みやイライラ、不安感などがサインとして表れます。そして放置していると、めまいや頭痛、動悸など、肉体の症状を引き起こすこともあります。

神経の疲れ

パソコンでの入力作業など長時間のデスクワークはもちろん、趣味で行う細かい作業でも起こるのが神経の疲れ。脳や目の神経が緊張した状態が続くことが原因で、やがて集中力や記憶力の低下にもつながり、作業全体のパフォーマンスも下がってしまいます。

コロナ禍で疲れやすい人が増えている?!

初めての緊急事態宣言が発出された2020年4月以降、何かと"ステイホーム"が求められ、コロナ禍前と比較して体を動かす時間が減少傾向にあります。このような生活様式は、疲れにくい体づくりには逆効果。コロナ禍の不安やストレスによる心の疲れはもちろんですが、体も疲れやすくなってしまいます。活動量が減少しているなら肉体の疲れはなさそうですが、通勤や外出の機会が減って体を動かさなくなると、筋肉の衰えが進み、血流が滞り、新陳代謝も低下してしまいます。すると、ちょっと活動しただけで、以前は感じなかったような疲れを感じるようになるのです。

疲れにくい体を作る習慣

疲れを取る=休養と考えがちですが、実は「積極的休養(アクティブレスト)」と「消極的休養(パッシブレスト)」の2種類があります。前者はその名の通り、積極的に体を動かすことで疲れの回復を目指すもの。後者は体を動かさずに回復を目指すものです。コロナ禍で運動不足の人が増えている今、アクティブレストで疲れない体を手に入れましょう。

画像:イスに座りながら片脚の膝をゆっくり伸ばしている男性
  • 1 椅子に浅く腰かけ、腕は横に下ろす。
  • 2 3秒かけて片脚の膝をゆっくり伸ばし、3秒かけてゆっくりと元に戻す。
  • 3 左右10回ずつ行う。
画像:片足を大きく前に踏み出しながら腰をゆっくり落としている男性
  • 1 まっすぐ立って腰に手を当てる。
  • 2 片足を大きく前に踏み出し、できるだけ腰を落とす。
  • 3 元の姿勢に戻り反対の足も同じように行ってワンセット。これを10回行う。
画像:膝立ちから両腕を前方に伸ばしながらゆっくり呼吸をしている女性
  • 1 膝立ちから両腕を前方に伸ばし頭を下げる。
  • 2 ゆっくり呼吸をしながらそのままのポーズを30秒間保つ。
画像:両膝を抱えて頭を付けるように丸まっている女性
  • 1 両膝を抱え膝に頭を付けるように丸くなる。
  • 2 30秒間姿勢を保ちながら背中全体の筋肉を伸ばすよう意識する。
画像:両足裏を合わせてできるだけ膝を開いている女性
  • 1 両足裏を合わせてできるだけ膝を開く。
  • 2 ゆっくり呼吸をしながら体を前に倒す。元の姿勢に戻り、これを10回繰り返す。

ココロとカラダ を満たすくつろぎレシピ 鶏胸肉のヘルシー南蛮

疲労回復効果に優れた鶏胸肉と豆腐を、酸味と甘さが食欲を引き出す「とろみ甘酢だれ」でいただきます。ポイントはタルタルソース。卵の代わりに豆腐を使っていますので、低カロリーなのに食べ応え満点です。

写真:鶏胸肉のヘルシー南蛮

材料(2人分)

鶏胸肉:1枚(約300グラム)、下味(きび砂糖・塩:各2つまみ、酢:小さじ2)、豆腐タルタル(木綿豆腐:150グラム、マヨネーズ:大さじ1から大さじ2、砂糖・塩:各2つまみ、酢:小さじ1)、とろみ甘酢だれ(砂糖・酢・しょうゆ・みりん:各大さじ2、きび砂糖:小さじ1、片栗粉:大さじ1 1/2)、卵:1個、片栗粉(小麦粉):適宜、揚げ油:適宜、小口ネギ:適宜

作り方

  • 1 鶏胸肉は皮をむいて全体をフォークで刺し、筋肉の繊維に逆らって1cm幅のそぎ切りにする。下味をつけるため、きび砂糖を薄く散らしたバットに肉を置いて、きび砂糖、塩、酢の順に振ってなじませる。調味料をなじませる順番は必ず守る。
  • 2 豆腐タルタルを用意しておく。豆腐をキッチンペーパーで包み、水分を取りながら手の中である程度つぶしたらボウルに入れ、調味料を加えてよく混ぜる。
  • 3 とろみ甘酢だれの材料を小鍋などで中火にかけ、混ぜながらとろみをつける。
  • 4 1の肉の水気を軽く取り、片栗粉(小麦粉)を全体にまぶす。溶いた卵にくぐらせ、油を少し多めに入れたフライパンで両面焼く。とろみ甘酢だれを絡ませ、器に移したら豆腐タルタルをかける。小口ネギを散らし、お好みですだちを添えて。

アレンジ活用 小松菜の甘酢あんかけ

小松菜3束をざく切りにし、水で洗いザルに上げる。フライパンに移してごま油小さじ2、塩少々を振って、中強火で30秒から60秒火を通す。皿に盛ったら、とろみ甘酢だれといりごまをかけて完成。

写真:アレンジ活用 小松菜の甘酢あんかけ

レシピ提供:料理家 井澤由美子