更新日: 2022年07月15日
Health共済フォーラム 2022年6月号掲載「Health&Care」
野球やテニスなど一流のスポーツ選手たちが重視する体幹トレーニング。実はアスリートでなくとも、体幹を鍛えることにはさまざまなメリットがあります。また、ジムなどで専門のマシンを使わなくても、自宅で気軽にできる”宅トレ”をしやすく、日常生活にも取り入れやすいという特徴もあります。今回は、体幹の基礎知識とともに、今日からすぐに始められるトレーニング法を紹介します。
![体幹ってどこをさすの?](../../../content/shared/images/taikan_ttl_01.png)
「体幹トレーニング」や「体幹を鍛えるとよい」という言葉をよく耳にしますが、そもそも「体幹」とはどこを指すのでしょうか。それは名前の通り、”体の幹”となる部位。首から上と、腕、脚を除いた、胴体全体のことを「体幹」と呼びます。
体の中心であるお腹回りのみを指すと思われがちですが、実は胸や背中、肩回り、お尻なども全て体幹です。そして、これらの部位の筋肉を鍛えるのが体幹トレーニングです。
![インナーマッスルとアウターマッスル](../../../content/shared/images/taikan_ttl_02.png)
トレーニングの際によく耳にする「インナーマッスル」と「アウターマッスル」。同じ筋肉の仲間でも、それぞれで役割が異なります。インナーマッスルは体の深層部にある筋肉で、動作を起こす際に直接働く筋肉というよりも、姿勢を維持したり関節の動きをサポートしたりする役割を担う筋肉です。
一方、アウターマッスルは体の表層部にある筋肉。一つひとつが大きく、重いものを持ち上げたり、全力疾走したり、大きな力を出すときに使われる筋肉です。
![体幹にあるインナーマッスル。脊柱起立筋 頭と背骨を支え、体幹のあらゆる動きをサポートする重要な筋肉。多裂筋 体幹をねじる動きや骨盤の安定、姿勢維持などの役割を担う。腹横筋 腰回りや内臓を囲み、腰の動きを支え、お腹を引き締める。腸腰筋 腿や膝を持ち上げたり、腰を支える役割を担う。骨盤底筋群 姿勢保持のほか、膀胱や直腸、子宮などの臓器を支える。体幹にあるアウターマッスル。僧帽筋 肩甲骨を動かし、重い荷物を持ち上げるときなどに強い力を発揮する。大胸筋 胸の前で物を抱えたり、ボールを遠投したりするときに活躍する筋肉。腹直筋 体を横に倒したり、背中を丸めて前に倒したりするときに力を発揮する。腹斜筋 ゴルフのスイングなど体をひねる動作に欠かせない筋肉。大臀筋 股関節を動かす筋肉で、脚を後ろに蹴り出す動作を行うときに働く。](../../../content/shared/images/taikan_img_01.png)
![職場でのスキマ時間にできる カンタン体幹トレーニング](../../../content/shared/images/taikan_hdg_02.png)
![骨盤底筋群を鍛える 1 胸の前で腕を交差させて立つ。 2 姿勢をまっすぐ伸ばし、両脚を交差させて1分間キープ。 3 脚を入れ替えて同じく1分間キープする。左右各1回ずつ行う。](../../../content/shared/images/taikan_img_02.png)
![腸腰筋や大臀筋を鍛える 1 両手を腰に当て脚をそろえて立つ。 2 左脚を伸ばし、前・横・後ろとゆっくり移動させる。 3 右脚も同様に。左右各10回×2セット行う。](../../../content/shared/images/taikan_img_03.png)
![体幹を鍛える5つのメリット](../../../content/shared/images/taikan_hdg_03.png)
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正しい姿勢は首からお尻にかけて緩やかなS字カーブを描いている状態。理想の姿勢を支えるのが体幹の筋肉の役割であり、体幹を鍛えれば自然と姿勢は良くなる。
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体幹を鍛えると姿勢が良くなり体の軸が安定するため、声が出やすくなる。また、息を吐きやすくなるため、喉を酷使しなくても声が出しやすくなり、声量が一定に、伸びやかになる。
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姿勢が良くなると骨盤や背骨の歪みが改善され、体に無駄な力がかからなくなることで筋肉の緊張状態が解消され、腰痛の予防や改善につながる。
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基礎代謝が高くなることでエネルギーが消費されやすくなると同時に、日常の動作が楽になり、ストレスもたまりにくくなる。その結果、活動しても疲れにくい体になる。
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体幹の筋肉、特にお腹回りの筋肉を鍛えると、血流が促進されて内臓の働きが活発になる。つまり、消化活動が促進されるため排便もスムーズになりやすい。
![画像:姿勢と発声が良くなった男性 腰痛が改善された女性 疲れにくくなった女性 トイレのドア](../../../content/shared/images/taikan_img_group_PC.png)
![写真:サラダチキンのピーナッツソースがけ 390kcal(全量)](../../../content/shared/images/taikan_img_04.png)
鶏胸肉:約300g、きび砂糖:小さじ1、塩麹・酒:各大さじ1、鶏がらスープの素:小さじ1、塩、こしょう:各少々、アスパラガス:2本、ミニトマト:1個、ソースの材料(刻みピーナッツ:大さじ2、マヨネーズ:大さじ1)
- 1 フォークで鶏胸肉の表面全体を刺し、密封袋に入れる。きび砂糖を入れてなじませてから塩麹、酒を加えてもみ、冷蔵庫で3時間ほどおく。
- 2 小鍋に1の鶏胸肉を移し、かぶるくらいの水と鶏がらスープの素、塩、こしょうを入れる。中弱火にかけ沸騰してきたら弱火にしてフタをし、30秒ほどゆでる。そのまま30分ほど置き、余熱で火が入ったらサラダチキンの完成。
- 3 ソースの材料全てと温かいゆで汁大さじ1を混ぜて、ピーナッツソースを作る。
- 4 サラダチキンが冷めたら食べやすい大きさにそぎ切りにし、塩ゆでしたアスパラガスとミニトマトを添え、ピーナッツソースをかける。お好みでこしょうを振る。
![写真:アレンジ活用 サラダチキンのごま和え](../../../content/shared/images/taikan_img_05.png)
サラダチキン100gを細切りにし、すりゴマ大さじ1 1/2、しょうゆ小さじ1から2、きび砂糖小さじ1を混ぜたころもと和える。お好みで細切りのしそを天盛りに。
![ゆで汁も活用しバランスの良い食事に](../../../content/shared/images/taikan_txt_08.png)
鶏胸肉は高タンパク、低脂肪、低カロリーで体幹づくりに最適な食材。疲労回復効果のある必須アミノ酸、イミダゾールジペプチドも豊富です。
また、鶏胸肉をゆでた汁は、卵ときのこを入れてスープにし、玄米と合わせると栄養バランスの取れた食事にすることができます。
![写真:レシピ提供 料理家 井澤由美子](../../../content/shared/images/taikan_img_06.png)
料理家 井澤由美子