更新日: 2017年10月15日

Health共済フォーラム 2016年6月号掲載「Health&Care」

先生のための健康なんでもQ&A第1回 肩や首のコリを解消!

学校の先生方に多いと思われる健康の悩みについて、その仕組みや解消法をQ&A形式で紹介します。

画像:ライン画像:QA

毎日の板書で肩こり・首こりがひどいです。
解消法を教えてください

こりの原因は筋肉の緊張です。ストレッチや食生活の工夫で血行を促進しましょう

画像:ライン

肩こり・首こりのメカニズム

「痛い」「重い」「張っている」など、人によって様々な感じ方のある肩こりや首こり。そもそも肩や首がこる原因は、長時間にわたって不自然な体勢を取り続けるなどして、首から肩、背中にかけて広がる僧帽筋と呼ばれる筋肉が緊張することからきています。すると、筋肉は硬くなり、血管が圧迫され、血流が滞って疲労物質である乳酸が排出されにくくなります。これが、こりの始まりです。
毎日の板書で腕を上げたり黒板を見上げるとき、僧帽筋が働きます。このような体勢を長時間続けることも、こりを生む原因のひとつです。筋肉に疲労物質が溜まり、痛みなどの不快感が強くなると、筋肉はさらに緊張して血流が滞り、こりを強くするという悪循環に陥ります。肩こり・首こりの慢性化を防ぐためにも、早めの対処が大切です。

画像:僧帽筋

僧帽筋【そうぼうきん】

肩から背中上部のラインに関係する筋肉。この部分の血流が滞ると肩や首のこりの原因になる

肩こり・首こりを招きやすい生活習慣

毎日の板書以外にも、こりにつながる生活習慣はたくさんあります。思い当たることはありませんか?

運動不足

運動不足は全身の血行不良を招き、代謝が下がって疲労物質などの老廃物が排出されにくくなり、こりを招くこともあります。

ストレス

不安や悩み、イライラなどのストレスが続くと、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが乱れ、交感神経ばかりが活発に働くようになります。交感神経は筋肉や血管を収縮させる役割があるため、血行が悪くなり、肩こりや首こりが起こりやすくなります。

眼精疲労

長時間のパソコン作業などで目の周囲の筋肉が緊張すると、これが肩や首の筋肉にも伝わり、こりの原因になります。ドライアイなどの目の不快感も肩や首の緊張につながるため、目の使い過ぎは禁物です。

寒さや冷え

寒さや冷えは筋肉を縮こまらせ、血行不良の原因になります。意外と見過ごされがちなのが、温かい季節の冷え。冷房の効いた部屋はもちろん、薄着になることで肩や首を冷やすこともあるため要注意です。

肩こり・首こりが起こりやすい体型がある?

生活習慣を改善したのに肩こり・首こりが解消されない!そんなときは、姿勢や体型に原因があるかもしれません。こりを招く姿勢の代表は「ねこ背」と「なで肩」。猫背の人は首が体の前方に傾いた状態で、その首を支えるために僧帽筋が常に緊張しています。また、肩甲骨が下がり気味である、なで肩の人も僧帽筋に負担がかかり、こりが発生しやすいのです。
体型では、肩や腕の重い脂肪が筋肉に負担をかける肥満の人、そして筋肉量が少なく重い頭を支えるのに負担がかかる極端なやせ型の人も、肩こりや首こりになりやすいといわれています。

肩こり・首こりにはこう対処しよう

ストレッチ

画像:肩のストレッチ

肩を上に思いきり引き上げ、ストンと落とします。これを10回繰り返します。

画像:腕のストレッチ

片腕を肩の高さに上げて伸ばし、もう片方の腕で体に密着させるように引き寄せます。左右10秒ずつ行います。

画像:肩甲骨のストレッチ

手のひらを内側に向けて背中で組み、肩甲骨を寄せるように腕を5回、上に引き上げます。

画像:頭のストレッチ

右手で頭の左側を押さえ、ゆっくりと右側に倒します。左も同様に行ったら、次に両手を頭の後ろで組み、前に倒した後、首を後ろに反らします。無理せず、気持ちよいと感じる程度の強さで行いましょう。

画像:お風呂で体を温める

38°Cから40°Cくらいのぬるめのお湯にゆったりと浸かります。肩や首には42°Cぐらいのお湯と、20°Cぐらいの水をシャワーで2分から3分交互にかけ、最後にお湯で温まる方法もお勧めです。

画像:ウォーキング

全身運動によって筋肉を効率的に動かせば、肩や首の血行促進にもつながります。お勧めはウォーキング。歩幅をやや大きめにし、腕をしっかりと振って歩くとさらに効果的です。

肩や首を冷やさない

夏場でも肩が出過ぎる洋服は避けること。日中でもカイロやホットパックなどを使い、肩や首を温める習慣をつけるとよいでしょう。

ツボ押しで肩こり・首こりを撃退

休憩時間や通勤時間を利用して、血行を促進するツボ押しをするのもお勧めです。肩こり・首こりに効くツボを、1回3秒から5秒、5回ほど刺激してみましょう。

画像:ツボの場所