更新日: 2024年11月20日

直営病院コラム東北中央病院

内臓脂肪を増やさない! 食事のヒントをお届けします

東北中央病院 栄養管理室 主任栄養士 佐藤 美華

若いときはスリムだったのに、年を重ねるごとに体重が増え、気付いたらお腹ポッコリ。昔の服が着られなくなって困っていませんか。内臓脂肪の蓄積は見た目に影響するだけではなく、動脈硬化から心筋梗塞、脳梗塞、認知症などの発症リスクを高めます。諦める前に、食事を見直してみましょう。

画像:脂肪に悩む男女

内臓脂肪が増えやすい食習慣とは

やはり一番は食べ過ぎです。満足するまで、量を決めずに食べてしまう習慣があると、内臓脂肪はつきやすくなります。休暇や旅行後に体重が増えやすい人も注意が必要です。また、間食やお酒の量が多い、野菜が不足している、夕食の時間が遅いなど、食事の量だけではなく食事の質や食事をとるタイミングも関係していることが分かっています。

画像:パソコンで仕事をしながら栄養バーを食べる男性 画像:酔ってふらふらになっている男性

食生活を見直してみましょう

1.食べ過ぎない作戦を立てる

内臓脂肪が増えやすい人は、余分なものを知らないうちに食べてしまっています。まずは、自分の行動パターンを振り返って、事前に対策を立てておくことをお勧めします。
例えば、「目の前に食事があると残さず食べてしまう」という人は、次の日に食べるように残す癖を付けることが大切です。また、視覚的刺激に弱い傾向もありますので、作り過ぎない、買い置きしないなど、食品を目に付くところに置かない対策も取り入れましょう。
昨今、食べ放題のお店やオールインクルーシブの宿も増えてきました。外食の際は、元を取らなきゃと食べ過ぎることがないように、選択肢から外すことも考えましょう。

2. 間食やお酒の量を見直す

食後の甘い物や間食が習慣になっている人は、まず量を減らすことから始まります。甘いものを食べたときと好きな音楽を聴いたときの、脳が喜ぶ部位は一緒だといわれています。例えば、好きな音楽や動画を見て、甘いものを断ち切るのも一つの手段です。どうしても食べたいときは、間食で食べるもののエネルギー量を知っておくことも重要です。市販の菓子類に表示された栄養成分を参考にし、一日の間食は200キロカロリー以内に抑えましょう。
アルコールは「ステロイド」というホルモンの分泌を促す作用があり、内臓脂肪をつけやすいといわれています。また、多くのお酒には糖質も含まれていますが、アルコールと糖質を同時に摂取した場合、肝臓はアルコールを優先的に処理するため、糖質の処理は後回しとなります。後回しにされた糖質はいったん脂肪に合成されて蓄えられてしまうことで、飲酒を続けると内臓脂肪が増えます。俗にお腹が出ている人のことを「ビール腹」などといいますが、ビールだけではなく、焼酎など全てのアルコールの過剰摂取が内臓脂肪を増やします。

3. ゆっくりよくかむ

食べ過ぎてしまう人の特徴として、早食いであることが挙げられます。できるだけゆっくりよくかんで、20分かけて食べるようにしましょう。食事をすると「レプチン」というホルモンが満腹中枢に働きかけ、食欲を抑えます。このレプチンは食事を始めてから20分ほど時間がたたないと働かないため、それまでは満腹感が感じられず、どんどん食べてしまうので要注意です。さらによくかむことで「ヒスタミン」という食欲を抑えるホルモンが脳内で増え、同じ食事でもより満腹感を感じることができます。

画像:暴食している女性
4. 野菜、海藻、きのこ、こんにゃくを食べる

太りにくい食材をたっぷり食べることも重要です。野菜、海藻、きのこ、こんにゃくがそれに当てはまります。ただし、これらをたっぷり使ったおかずは調理に手間がかかりますので、休日などに作り置きするようにしましょう。野菜ときのこ類は冷凍しても栄養価が損なわれにくいため、冷凍品を活用することもお勧めです。買い物や外食の際には以上のことを意識して、なるべく毎食、積極的に摂取しましょう。

画像:野菜の入ったかご 海の中で育つ海藻

おわりに

良い食習慣は気長に続けることがコツです。0か100か、食べるか食べないかの二極化で決めるのではなく、「なるべくなら」という気楽な気持ちで始めてみてください。皆さまの健康行動を陰ながら応援しております。

公立学校共済組合東北中央病院

基本情報

住所 〒990-8510 山形県山形市和合町3丁目2番5号
電話番号 023-623-5111
ホームページ https://tohoku-ctr-hsp.com

病院概要

理念 心温かい信頼の医療
許可病床数 252床(一般病床160床、地域包括ケア病床57床、人間ドック35床)
診療科目 内科、呼吸器内科、循環器科、消化器・肝臓内科、糖尿病内科、外科、整形外科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科、歯科
沿革 東北中央病院は、東北6県公立学校教職員の結核性疾患治療対策のため、直営8病院中5番目の病院として昭和34年5月9日に開設されました。開院当時の診療科は内科(結核を含む)、外科、耳鼻咽喉科、歯科で病床数192(結核156、一般36)でしたが、疾病構造の変化や多様化に対応すべく病院施設・設備の整備と診療科の増設が行われ、昭和54年11月1日には結核病床を廃止しました。一方で、教職員の健康管理事業として昭和37年に人間ドックが開設されました。開設以来、整備や増築を繰り返してきましたが、全体的な老朽化が進んでいたため、平成4年に全面改築工事に着手し、平成6年1月に新入院病棟が使用開始となり、平成7年5月に新外来診療棟をオープンしました。全面改築に併せて、病床数を252(一般217、人間ドック35)に増床しました。平成24年10月には外国医師の臨床修練を行う病院に指定され、各国の整形外科脊椎外科分野における医療技術向上を目的に、外国医師の研修を積極的に受け入れています。平成27年7月には高齢化社会への対応として一般病床のうち57床を地域包括ケア病棟に切り替えました。地域の医療機関と緊密に連携を取り合い、最良の医療技術をもって診療に当たり、社会に貢献できる病院であり続けたいと考えています。

(令和6年11月現在)

アクセス
電車とバスでお越しの方
JR東日本奥羽本線 山形駅を出発、山形駅前バス乗場3番から乗車し、「東北中央病院前」で降車、バス停から徒歩で東北中央病院着 所要時間約20分
お車でお越しの方
山形自動車道 山形北インターチェンジより 福島方面へ南進し、約5分 山形自動車道 山形蔵王インターチェンジより 山形市街方面へ直進し、あこや町交差点を右折し、国道13号線を天童方面へ北進し約5分

注記:当院は国道13号線和合交差点東側です。

お車でお越しの方
山形自動車道 山形北インターチェンジより

福島方面へ南進し、約5分

山形自動車道 山形蔵王インターチェンジより

山形市街方面へ直進し、あこや町交差点を右折し、国道13号線を天童方面へ北進し約5分

注記:当院は国道13号線和合交差点東側です。