更新日: 2025年05月29日
直営病院コラム北陸中央病院
北陸中央病院 認知症看護認定看護師
野澤 有代
認知症は、症状を遅らせたり、緩和したりすることができるようになりましたが、根本的な治療方法は確立されておらず、日常生活での予防策が発症リスクを下げるために重要です。
そこで、今日からできる予防策を紹介します。
認知症の予防には、普段の生活習慣を改善することが重要で、認知症の発症リスクを下げることが期待されています。
- 有酸素運動を継続する
- バランスの良い食事を摂る
- 知的活動で脳を活性化する

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有酸素運動は、酸素を多く取り込むことで血液の循環が良くなり脳の働きを活性化させる効果があり、動脈硬化のリスクも下げるといわれています。
軽めの負荷で長時間継続できる運動、たとえば早足のウォーキング、水泳などです。普段運動習慣のない方は、週3日以上継続できることから始めてみましょう。まずエレベーターを使わず階段を使う、前の駅で降りてウォーキングするなど、無理のない範囲から始めてみませんか? -
食事は健康維持の基盤です。暴飲暴食や偏食は、認知症だけではなく高血圧や糖尿病など生活習慣病の発症リスクにもつながります。日頃より糖分・塩分・脂質の多い食事はなるべく避けて、自分にあった適切なカロリーで栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。
野菜や果物に含まれているビタミンB群、C、E、βカロチンは動脈硬化やアルツハイマー型認知症の原因物質を抑制する働きがあるとされています。またサバ・イワシ・サンマなどの青魚には、脳の活性化が期待されるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が多く含まれています。主食・副菜をバランス良く、いろいろな食品(魚・肉・豆・野菜・果物・乳製品)を摂取するなど食生活を見直してみましょう。よくかんで食事を楽しむのもポイントです。ついつい飲んでしまうアルコールは飲み過ぎないように気をつけて。
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頭を使う趣味は、認知症の予防効果が高いとされています。例えば、読書・パズル・囲碁・将棋・楽器の演奏などが効果的です。一人では継続できないことも、誰かと一緒ならば楽しく続けられるのではないでしょうか。また、人と会話することは脳の広い部分を活性化させ、認知症予防に良いとされています。そして、笑う、褒め合うというのもポイントです。快刺激を得られ、脳にドーパミンが放出され記憶力や学習能力が上がることも期待できます。無理のない範囲でコミュニケーションの場を増やしてみませんか?
認知症の予防のためには、毎日の生活習慣の改善が重要になります。特に40代以降の方は健康診断を定期的に受け、医師の指導のもと生活習慣を見直し、早い段階から認知症の予防に努めましょう。お悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
認知症を遅らせること、そして、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせること。
そのような社会を目指し、「予防」と「共生」を車の両輪として、認知症の人や家族の視点を重視した施策を国も推進しています。少しでも発症リスクを下げるために、今日からできることを始めてみましょう!

参考資料
- 認知症予防マニュアル 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
- あたまとからだを元気にするMCIハンドブック 国立長寿医療研究センター
- 認知症施策推進大綱 厚生労働省
基本情報
住所 | 〒932-8503 富山県小矢部市野寺123 |
電話番号 | 0766-67-1150 |
ホームページ | https://hokuriku-ctr-hsp.jp/ |
病院概要
理念 | 人間愛に基づいた医療を通じて社会に貢献します |
許可病床数 | 193床(人間ドック居室30床、地域包括ケア病棟53床、一般病棟57床、医療型療養病棟53床) |
診療科目 | 内科、神経内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、麻酔科、放射線科、リハビリテーション科、歯科口腔外科 |
沿革 | 北陸中央病院は、公立学校共済組合が組合員とその家族のための福祉事業の一環として、全国各ブロックに設置している直営病院の一つで、昭和39年4月20日に8番目の病院として小矢部市 埴生地区 に開設されました。開設当初は、内科・外科・産婦人科・耳鼻咽喉科・歯科の5診療科と放射線科・臨床検査科・健康管理科を有し、許可病床は200床(うち、48床は結核病床でのちに閉鎖)でした。 平成13年10月新築移転時(同市野寺地区)までには、小児科・眼科・整形外科・泌尿器科・脳神経外科・リハビリテーション科を加えて全14科、さらに特別外来として皮膚科が開設されました。 開設当初よりその設立主旨にそって、組合員の健康管理(成人病対策)に力を注いでおり、宿泊ドックは現在30床を有し、富山・石川・福井のほか、新潟・長野の一部の組合員の皆さまにご利用いただいています。 1日ドックは、富山・石川の組合員の皆さまはもとより、地域の皆さま方にも多数ご利用いただいています。 また当院開設の際、既設の市立病院(石動厚生病院)が閉鎖されたという経緯もあり、職域病院である一方、地域病院としての役割も担っています。 今後とも、職域・地域の役割をもつ総合病院として、人間愛に基づいた医療を通して心のふれ合いを大切にし、信頼と安心の医療を提供する場として、たゆみない前進を続けてまいります。 |
(令和7年5月現在)






