更新日: 2021年07月16日

Health共済フォーラム 2021年6月号掲載「Health&Care」

コロナ禍で急増?“マスク酸欠”を予防して心を安定させよう

新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちの生活は大きく変化し、もう1年以上もストレス状態が続いています。加えて、日々の暮らしに欠かせないものとなったマスクが、実はメンタルにさらなるダメージを与えている可能性があります。その原因は「酸欠」。最近朝起きるのがつらい、頭痛が続くなどの不快な症状があるなら、呼吸を見直して酸欠を改善する工夫が必要かもしれません。

今、全身が酸素不足状態に陥っている人が増えている?!

画像:酸欠の要因。マスク着用により吐いた息を吸い二酸化炭素過多に。コロナ禍のスレスで自律神経が乱れ呼吸が浅くなる。

さまざまな外敵から身を守る手助けをしてくれるマスクですが、呼吸にとっては障害となる場合もあります。単純に呼吸がしにくいというだけでなく、マスク着用中は自分が吐いた息がマスク内にたまり、その空気を吸うことになります。結果として、体内に入ってくるのは二酸化炭素を多く含んだ空気。つまり今、多くの人の体が二酸化炭素過多の状態になっているわけです。
また、コロナ禍のストレスで自律神経のバランスが乱れがちになると、交感神経が優位になります。そうなると、緊張・興奮している状態と同様に呼吸の間隔が短くなり、呼吸が浅くなるという特徴があります。コロナ禍は、全身が酸欠に陥るという悪循環が生まれやすい環境がそろっているのです。

慢性的な酸欠が心と体に与える影響

慢性的な片頭痛

二酸化炭素は脳の血管を拡張させる因子。酸欠状態が長く続くと脳の血管の拡張も続きます。すると、その周囲にあり触覚や痛覚を脳に伝える三叉(さんさ)神経が刺激され、炎症を起こすことで慢性的な片頭痛の原因に。

不安やイライラが増幅

恐怖や怒りなどの感情をコントロールして精神を安定させる働きがある“幸せホルモン”のセロトニン。脳に酸素が行き渡らないとセロトニンの分泌が滞るといわれており、不安やイライラが増幅されてしまいます。

免疫力の低下

全身の隅々にまで免疫細胞を運ぶためには、血流を良くしておくことが重要です。しかし、全身が酸欠に陥ると血流は滞ります。体温の低下とともに免疫細胞が運ばれにくくなり、免疫力の低下にもつながります。

集中力や思考力の低下

締め切った部屋で暖房をつけていると、頭がボーっとしてくるものですが、これも酸欠の影響。脳の細胞に十分な酸素が行き渡らないと、集中力や思考力の低下が起こることが知られています。

首こりや肩こりの原因に

リモートワークが増えている今。パソコンに向かいっぱなしで仕事をしている人は、猫背になって胸部が圧迫されることで呼吸が浅くなりがち。血流悪化の悪循環も加わり、しつこい首こりや肩こりの原因になります。

深い呼吸がメンタルに効くワケ

画像:酸欠の要因。マスク着用により吐いた息を吸い二酸化炭素過多に。コロナ禍のスレスで自律神経が乱れ呼吸が浅くなる。

心を健やかに保つには、自律神経がバランスよく働いた状態であることが不可欠。自律神経は自分の意思にかかわらず働く神経であり、心臓の拍動や発汗、そして呼吸を支配しています。しかし、呼吸だけは、深く吸うなど自分の意思でコントロールできます。
メンタル面が低下していると交感神経が優位になり、呼吸は浅くなりやすいものです。また、コロナ禍でマスクにより呼吸が妨げられていると、たとえストレスがなくても、体がストレス状態だと勘違いしてしまうことがあります。
そこで、意識的に深い呼吸を行い、酸素をたくさん取り入れることを習慣にしてみましょう。深い呼吸は心身をリラックスさせて副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを整えることにもつながります。結果として、メンタル面にも良い効果を生み出します。

酸欠状態を改善する呼吸習慣を身につけよう

横隔膜をリラックス

マスク習慣によって浅い呼吸の癖がつくと、肺の下にある横隔膜の動きが悪くなって硬くなり、やがて深い呼吸がしにくくなってしまいます。これを防ぐためには、横隔膜をリラックスさせて深呼吸を行うストレッチがお勧めです。

画像:横隔膜をリラックスさせて深呼吸を行うストレッチ
  • 1 仰向けになって立てた左ひざに右手を添える。
  • 2 息を吐きながら上体を左にねじり、左ひざは右側に倒す。
  • 3 顔は左側を向き、左手も横に伸ばす。胸を伸ばして横隔膜をリラックスさせ、深い呼吸を行う。
  • 4 反対側も同様に行う。

1対2の呼吸法

意識して深呼吸をする習慣をつけるのも良いでしょう。深呼吸は、吸って吐くを1対2の割合で繰り返すのがお勧め。3秒かけて吸い、6秒かけて吐く、あるいは4秒かけて吸い、8秒かけて吐くでもOKです。1回1分間を目安に、起床後や仕事中など時間を見つけて深呼吸する習慣をつけ、体内に酸素を取り込みましょう。

画像:1対2の呼吸法